研究概要 |
前年度に開発した荷重支持機構を備えた除振ユニットを利用して,ユニット型多自由度アクティブ除振装置の開発を行った. (1)ユニット型3自由度アクティブ除振装置の実現 前年度開発した除振ユニットを3台用いて3自由度アクティブ除振装置を実現した.開発した除振ユニットでは,荷重支持機構によって除振テーブルに作用する重力より大きな上向きの力を発生させることによって,除振テーブルの磁石の吸引力が作用する部分を中間台の下側に設ける必要をなくしているので,装置全体の構造が単純になっている.本研究では,このユニットを3台用いて,除振テーブルの垂直方向の3自由度をアクティブに制御する除振装置を実現した. (2)除振制御系の設計と実装 実現した3自由度アクティブ除振装置の制御系の設計・実装を行った. (3)除振性能の評価 除振ユニットのいろいろなパラメータをいろいろと変化させながら,(2)で設計した制御系を実現し,地動外乱に対する振動絶縁特性や,直動外乱に対する制振性能を評価した. (4)ユニット型6自由度アクティブ除振装置の実現 前年度開発した除振ユニットを6台用いて,6自由度アクティブ除振装置の実現を試みた.具体的には,このユニットをパラメータメカニズムの出力リングとして用いることによって,除振テーブルの6自由度をアクティブに制御する除振装置を実現する.パラレルメカニズムは,アミューズメント機器,工作機械などに利用され,高剛性,高精度,応答性が良いという特徴を有しているが,動作範囲が狭いことが欠点とされている.しかしながら,除振テーブルの位置・姿勢を一定に保つ除振装置では,大きな動作範囲は必要ないので,この欠点は問題とならない. 実験の結果,提案する方式によって除振テーブルの6自由度をアクティブに制御できるとの知見を得た.
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