研究概要 |
実環境で作業ができるロボットとして,膝立ち姿勢をとり脚を腕として活用できる脚ロボット,および上体部をパラレルメカニズムとする移動ロボットの開発を進めている. 脚ロボットに関しては,これまでに製作した4脚ロボットの駆動系の改良を行ない,大きな軸荷重に耐えられるモータを導入することにより,ロボットが扱うことができる負荷重量を増すことができた.また,同様の6脚ロボットを開発する準備として,膝関節用の変速機構を考案した.これは,膝立ちする2脚で残りの4脚分の重量を支えなければならず,さらに大きな負荷に耐える必要があるからである.一方,膝立ち姿勢ではロボットが自分自身の体重をかけることにより,腕先から大きな力を発生することが考えられる.ただしそのためには,腕先に取り付けるハンドがその力に耐えられる必要がある.そこで指関節に装着できる変速機構を考案し,35Nの力を発生できる約100gの指関節を開発した. パラレルメカニズムを上体とする移動ロボットに関しては,4自由度のパラレルメカニズムの胴体に2自由度のシリアルマニピュレータを搭載した移動ロボットを開発した.シリアルマニピュレータ先端には6自由度の運動自由度を持つとともに,パラレルメカニズム上部に搭載した物体を斜面においても水平に保つことが可能である.このロボットの重量は約9kgであるが,15kgの負荷を持ち上げることができた.よって同様の他のロボットを持ち上げることにより,高所への移動を補助することができる. センシングに関しては,ハイパースペクトルセンサで取得される各スペクトル成分間の適応的な演算によって,実環境下で目的とする画像を推定する方法の基礎的な検討を行なった.
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