研究概要 |
本研究では,ウェアラブルパワーアシスト装置の開発を目的として,下記の課題について検討する. (a)ウェアラブルパワーアシスト装置に適合する空気圧ゴム人工筋の開発,(b)適切な身体装着法,(c)装着者の意思・感覚の入力法,(d)装着者と装置の協調制御法,(e)駆動エネルギー供給法,(f)アシスト性能評価法. 本年度は,課題(a),(b),(c)を発展させるとともに,課題(d)および課題(e)を新たな研究内容に加えた. 課題(a),(b)に関連して,細長空気圧ゴム人工筋(Muscle stringと命名)を開発した.また,これを用いた衣服状パワーアシストウェアの概念を提案し,締め付け力可変のアクティブサポータおよび肩部動作支援用アクチュエータを試作し,その有効性を実験により確認した. 課題(c),(d)では,音声入力による空気圧ゴム人工筋の制御法を提案し,これを用いたウェアラブルパワーアシスト装置の制御系を構築した. 課題(e)では,アシスト装置の駆動エネルギー供給法について研究した.医療・福祉施設や工場などの空気配管が備えられている場合には,それらの配管から得られる圧縮空気が利用できるが,屋外で使用する場合には,ウェアラブルな空気源を備えることが必要である.これには,小型ボンベや小型コンプレッサを携帯する必要がある.そこで研究代表者らがすでに着手している小型コンプレッサの研究を発展させ,パワーアシスト装置用のウェアラブル小型コンプレッサを設計,試作し,基本特性を明らかにした.
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