研究概要 |
人間親和型ウェアラブルパワーアシスト装置の開発を目的として,下記(a)〜(f)の課題について総合的な研究を実施した.(a)ウェアラブルパワーアシスト装置に適合する空気圧ゴム人工筋の開発,(b)適切な身体装着法,(c)装着者の意思・感覚の入力法,(d)装着者と装置の協調制御法,(e)駆動エネルギー供給法,(f)アシスト性能評価法. 平成17年度に開発した細長空気圧ゴム人工筋(Muscle string)を素材とした軽量・柔軟なネット型アクチュエータを開発し,その基本特性を調べることによりウェアラブルパワーアシスト装置のアクチュエータとして利用可能であることを明らかにした.また,これを用いた衣服状パワーアシストウェアを試作し,手首部,肘部および背部の動作支援に応用した.身体表面に装着したアクチュエータから効率良く身体に支援力を伝達することがパワーアシストウェアの最も重要な課題である.パワーアシストウェアから身体への力伝達効率を向上させるため,従来のテーピングや姿勢矯正装置の構造を参考にして,パワーアシストウェアの機構を設計した. さらに,パワーアシストウェア着用者とウェア制御システムとのコミュニケーション法として音声による方法に着目し,その有用性を確認するとともに,ニューラルネットワークを用いて不明瞭言語に対応できる機能を付加した. 以上に加えて,パワーアシスト装置用の小型エアポンプの仕様を検討するとともに,筋電位を用いたアシスト性能の評価を実施した. 本研究の成果により,細長空気圧ゴム人工筋を用いた衣服状パワーアシストウェア実現の可能性が明らかになった.
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