研究概要 |
本研究は二足二腕をもつヒューマノイドロボットが視覚・触覚・力覚を用いて対象物の把持箇所を能動的に決定し,全身の自由度を用いて把持する手法を研究することを目的とする.具体的には,1)触覚・力覚を有し,コンパクトで対象に応じた多様な把持モードを有し,体を支えることもできるハンドを開発し,2)ハンド,腕,全身を用いてバランスを維持しつつ,対象に応じて把持箇所の遷移と把持に移行する軌道を生成する把持計画手法,3)三次元視覚と体の自由度を能動的に用いた把持対象認識手法,を統合し,4)これまでに開発してきたヒューマノイドロボットに開発したハンドと手法を搭載し実際に実験を行うことにより評価と改善を行う. 研究はヒューマノイドロボットの物体把持の自律性向上を目指して,ロボットが視覚・触覚・力覚と全身の自由度を用いて対象物の把持箇所を能動的に決定し,オンラインで制御する能動的把持手法を目的とする.初年度となる平成16年度は以下の3つのサブテーマについて研究を行った. 1.多様な作業が可能なヒューマノイドハンドの設計 触覚・力覚センサを備え,多様な把持が可能なハンドを開発する. 2.多自由度アームの可操作性を優先したメモリーベーストな逆運動学解法 対象物体に応じて7自由度以上の冗長マニピュレータの可操作度を高めた逆運動学解法を,あらかじめ全てのコンフィギュレーションを前処理により計算することにより,メモリーベーストに解く手法を研究した. 3.三次元視覚と体の自由度を能動的に用いた把持対象認識手法 対象物の三次元モデルと得られた三次元環境データをマッチングするために,グラフィックハードウエアのレンダリング機能と相関演算手法を用いた高速対象物発見・姿勢検出アルゴリズムを研究した.
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