研究概要 |
1.走行制御の基礎実験として,身長127cm,体重31kg,全12自由度の人間型2足ロボットHRP-2LRを用いて,平地における走行,横走行,うさぎ跳び,片足飛び(けんけん)などの動作を実現した.ここで実現できた走行速度は時速0.58kmであった,走行の高速化を図るため,つま先にバネを挿入する改造を行いHRP-2LTとした.つま先バネを利用する走行パターン生成プログラムを開発し,これによって時速3kmの走行が可能であることをシミュレータ上で確認した.また,両脚ジャンプの実験を行い,空中期0.1s,床面からの高さ約3cmのジャンプを実現した.高速走行時にロボットの姿勢が乱れる問題に対処するため,腰Yaw軸を追加したHRP-2LYを開発した.Yaw軸周りの角運動量を胴体の回転により補償することによって,安定な時速3kmの走行が実現できることをシミュレーションにより確認した. 2.ゲイト・モーフィングの考え方に基づき,ZMPの未来軌道の時間伸縮によってバランスを維持する安定化制御方式を検討した.これに基づき安定化制御付きのパターンジェネレータを開発し,シミュレーション上の2足歩行で±3cmの凹凸路面を踏破可能なことを確認した. 3.従来のロボットの人間に比べ不自然な走行を改善するため,出力零化制御に基づく走行制御法を提案し,予め計算したパターンを用いることなくシミュレーション上で不整地上の走行と,時速10kmの安定な走行を実現した.
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