研究概要 |
(1)理論解析 まず,ハンドによる把持とロボット全身の安定性の間の依存関係に着目し,ZMPの解析をした.手先が環境と接触しない場合,ZMPが足裏支持領域の凸包に含まれる限り,ロボットは転倒せずに歩行を継続することが可能であるが,この概念をハンドが環境を把握する場合に拡張した.ロボットをテーブルの上に置かれた質点としてモデル化し,このモデルに対してハンド部を追加することで,ハンドの把握力とZMPの関係を明確に示した. (2)シミュレーション・実験 シミュレーションのための動力学計算ソフトとして,OpenHRPを用い,ヒューマノイドロボットが手摺を掴むことで大きな段差を上るシミュレーションや実験を行った.その結果,ハンドで環境を掴むことで,ロボットが安定性を増し,より容易に段差を上ることが可能であることが示された. (3)ハンドの設計: 多様な形状の環境を把握可能にするために設計する,多自由度ロボットハンドの第一回目の試作を行った.このハンドは,高トルクを発生可能であり,手をつく動作が実行可能である.
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