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2005 年度 実績報告書

風力発電システムの雷害防止用大気圧プラズマシールド

研究課題

研究課題/領域番号 16360133
研究機関東京工業大学

研究代表者

安岡 康一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272675)

キーワード雷撃 / 風車ブレード / 空間電荷 / 表面電荷 / 雷インパルス / 水膜
研究概要

ウインドファームを構成する1機当たり1MW級の大型風力発電設備に関しては,雷撃による風車ブレードの損傷が深刻な課題として国際的に認識されている。本研究では従来の避雷針・避雷塔や避雷シールド線などの受動的避雷技術とは異なり,大気圧プラズマによる電荷を利用して風車ブレード近傍の電界を制御する能動方式を提案し,実験的に検証した。以下成果を具体的に述べる。なお評価に際し波高値200〜300kVの雷インパルス電圧を使用した。
1.絶縁物表面電荷の雷撃経路に及ぼす影響:ワイヤコロナ放電によりイオンを発生させて絶縁物表面を帯電させた。表面電荷が雷インパルス電圧と逆極性である場合は絶縁体表面にまとわりつくように放電が進展するのに対し,同極性の場合は表面から離れて放電路が形成されることをはじめて見出した。この結果絶縁物表面の保護が可能になる。
2.絶縁物周辺空間電荷が雷撃経路に及ぼす影響:雷インパルス電圧と同極性の空間電荷が大気中に存在する場合は50%フラッシオーバー電圧が増加し,逆極性電荷が存在する場合は減少することを実験的に確認した。この際空間電荷量を確保するため,帯電した微小水滴を空間に噴霧して供給した。
3.水膜による絶縁体表面保護:絶縁物表面に水膜を形成すると雷インパルス電圧による放電は水膜上を進展し,絶縁物表面には触れないことがわかった。また使用する溶液の導電率が塩分を含む様な高導電率の場合には,水溶液中を放電電流が流れ,これ以下の場合は水面上に放電が形成されることを見出した。この現象を,溶液抵抗値とこれによって発生する水面電位との関係で説明した。
以上から,雷撃から風車ブレードを保護する手段として,絶縁体であるブレード表面の電荷制御が有効であること,また空間電荷による雷撃経路の制御も効果が認められること,さらにブレードへ着雷した場合でも水膜にって表面保護が可能であることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 大気圧誘電体バリア放電による水中難分解性有機物の分解2006

    • 著者名/発表者名
      山口隆士, 片山弘士, 安岡康一, 石井彰三
    • 雑誌名

      電気学会:プラズマ研究会 PST-06-9

      ページ: 43-46

  • [雑誌論文] 水を用いた大気中絶縁破壊経路の制御と雷保護に関する基礎研究2006

    • 著者名/発表者名
      中込直樹, 安岡康一, 石井彰三
    • 雑誌名

      電気学会:放電,誘電・絶縁材料,高電圧合同研究会 ED-06-25

      ページ: 31-36

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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