研究概要 |
1)現有の200V,3.7kW電圧形PWMインバータ(汎用インバータ)とかご形誘導電動機(中性点付)を使用した実験システムを構築し,コモンモード対する等価回路とノーマルモードに対する等価回路を導出した。 2)本研究のパッシブEMIフィルタの主要部品はコモンモードチョークである。このコモンモードチョークの周波数特性がEMI抑制効果に直接関係するので,磁性材料や巻線構造などについて理論と実験の両面から詳細に検討した。その結果,現在入手可能な磁性材料としてはナノ結晶軟磁性材料(商品名:ファインメット)が総合的に最も優れている。そこで,ファインメットを使用したコモンモードチョークを設計・製作し,周波数特性(10kHz〜10MHz)を測定した。 3)設計・製作したパッシブEMIフィルタを実験システム(200V,3.7kW)に設置し,EMI抑制効果を実測した。具体的には,モータから接地線へ流出する高周波漏れ電流,放熱フィンから接地線へ流出する高周波漏れ電流,モータフレームとシャフトに発生する軸電圧,軸受けの電食の原因となるベアリング電流を測定した。さらに,本年度に購入した模擬電源回路網(LISN)を使用して伝導性EMIを測定した。 これらの研究成果をまとめた論文を,2005年6月のIEEE Power Electronics Specialist Conferenceで発表する予定であり,さらに電気学会論文誌に投稿中である。
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