研究概要 |
平成16年度は本研究課題のうち,実験検証用のターボチャージャ用超高速電動発電機のプロト試作と超高速ドライブ用インバータのプロト試作を完了するとともに,それらの組み合わせ試験および評価を行った。その結果,以下の研究成果が得られた。 (1)ターボチャージャ用超高速電動発電機のプロト試作 固定子コア:0.15mm超薄手電磁鋼板を成層して固定子コアを構成し、6スロット以外に3スロットの固定子コアを設計・試作した。 固定子巻線:集中巻とし、固定子巻線インダクタンスはわずか9μHとなった。 回転子磁石:高温でも減磁しにくい最新のネオジウム系磁石を採用した。 回転子補強:カーボンファイバと合金スリーブを用いて200m/s以上の周速にも耐えるように設計・試作した。 (2)超高速ドライブ用インバータのプロト試作 プリント基板:4層カラスエポキシ基板を採用し,内層に大電流を流せる構成を採ってインハータおよびチョッパの主回路を配した。また,両表面には主回路のほかゲートドライブ回路を配し,部品類のほとんどを表面実装とした。これにより通常の電線による配線が全くない構成となった。 擬似電流形インバータ:直流バスの電圧を72Vと想定し,直流バスに電流制御形チョッパをもち、インバータ部で120°通電を行う擬似電流形インバータを採用した。 (3)組み合わせ試験および評価 三菱重工業の流体機械試験施設を利用して、ターボチャージャに組み込んだ超高速電動発電機と超高速ドライブ用インバータの組み合わせ試験を実施した。回生運転においては120,O00r/minにおいて1.3kWの電力を回収できることを確認した。また,力行運転では120,000r/minにおいて2.2kWのインバータ出力を確認するとともに220,000r/minまでの定出力運転を実現した。 (4)今後の課題 現状の試験設備ならびに方法では,正確な効率特性や損失分析が不可能なので,再度超高速MGセットを試作して実験検証を行う。また,車載への実用化を目指して直流バスの低電圧化を図る。
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