研究課題/領域番号 |
16360149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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研究分担者 |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 助教授 (10372509)
武井 重人 信州大学, 工学部, 助手 (50262689)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 高密度磁気記録媒体 / ナノスポット結晶 / 六方晶フェライト / 微粒子薄膜 / パターン媒体 / 垂直磁気記録 / スパッタ / 自己組織 |
研究概要 |
日本で発明された垂直磁気記録方式が小型ハードディスクとして実用化され、ハードディスクドライブの超高密度化大容量化が今後ますます加速されるであろう。記録方式は当然垂直記録方式である。次世代の記録媒体としてはディスクリート媒体か、もしくはパターン化媒体が有力であろう。すなわち、磁性粒子の微細化は、高密度記録ならびに媒体雑音の低減のためにの必要条件である。本研究ではさらに粒子間の磁気的結合を遮断した低雑音媒体の実現を目的としている。ナノスケールのフェライトのドットアレイを有する、すなわちフェライト微粒子薄膜を自己組織化によって形成しようとするものである。具体的には、適当な下地層用いることにより、上部に形成した非晶質フェライト薄膜を熱処理によって結晶化する際に、下地層が自己組織化の状態によって、結晶化した部分(磁性体化)と非晶質状態を保った部分(非磁性体)がドットアレイとして形成される。基本実験としてAl下地層そして非晶質Si下地層上の各バリウムフェライト薄膜の熱処理による結晶化について検討した。その結果、Al下地層上のバリウムフェライトの結晶化温度は650℃程度、Si下地層上では700℃程度であり、Al層上で結晶化温度が50℃程度低下していることが明らかになった。一方、自己組織化作用のよる相分離型Al-Si合金が知られており、Al相とSi相が作成条件によってナノスポット状に析出することが知られている。これが実現すれば、その上部に付着した非磁性バリウムフェライト層を、選択的にしかもスポット状に磁性体化が可能となる。すなわち自己組織作用を用いたバリウムフェライトの柱状粒子化ならびに孤立化が実現する。実際に得られた結果では、バリウムフェライト薄膜の見かけの磁化はAl組成に応じたものであり、Alスポット状に磁性体化している可能性を見いだした。また、δMプロットからは、粒子間の磁気的結合の遮断されたものであることが推察される結果となった。以上から、本研究において非磁性フェライト層を選択的に結晶化する手法を見いだすことができた。
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