研究課題
平成18年度は、これまでに実施した実験成果である「キャリアー溜層付加によるInGaN量子井戸ダイオードのエレクトロルミネッセンス(EL)発光強度と量子捕獲改善効果の研究(研究代表者、藤原賢三担当)」および「InGaN単一量子井戸(SQW)発光ダイオードについての外部電界効果の研究(研究分担者、佐竹昭泰担当)」についてのデータを解析し、3件の国際会議およびワークショップで発表するとともに4件の論文としてまとめた。これらの結果から、順バイアス印加電圧の過度の増加は、キャリアオーバーフローを引き起こす結果、発光再結合効率の低下をもたらすことを明らかにできた。さらにフォトルミネッセンス(PL)発光効率の外部電界効果の研究、特に量子井戸活性層についての直接励起と間接励起条件の比較から、発光効率の決定要因として、内部電界と外部電界の相互作用によりキャリアーの捕獲効率を最適化することが重要であることを、n型キャリアー(電子)溜め層を含む、電極配線された青色InGaN多重量子井戸(MQW)発光ダイオード試料および緑色及び青色InGaN量子井戸発光ダイオード試料についてのELおよびPL外部電界効果の研究から明らかにした。また、素子構造上の特徴あるn型キャリアー(電子)溜め層を含む、電極配線された青色InGaN多重量子井戸(MQW)発光ダイオード試料について、間接励起条件下におけるPL発光強度の外部電界効果の研究、特に、励起光強度依存性についての研究から、発光効率を支配する要因として、正孔の捕獲過程が重要な役割を演じていることを検証することができた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
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