研究課題
基盤研究(B)
InGaN系量子井戸発光ダイオードは、10^<10>cm^<-2>程度の非常に多くの貫通転位が存在し欠陥密度が大きいにもかかわらず、発光効率が非常に高い。この高効率発光の機構を探るために、エレクトロルミネッセンス(EL)及びフォトルミネッセンス(PL)発光強度の外部電界効果を調べ、以下の成果が得られた。(1)青色多重量子井戸発光ダイオードのEL発光効率の温度依存性(20-300K)から、電子溜層の付加により、発光効率はすべての温度範囲、注入電流レベルで強められる。また、高注入電流と低注入電流時の比較から、主ELバンド発光効率の低温に於ける減少割合の変化及び短波長サテライトバンド発光効率の相関は、順バイアス電圧下でのキャリアー捕獲の違いにより起こり得ることが分った。(2)緑色InGaN単一量子井戸ダイオードのPL発光強度の外部電界効果を調べ、直接励起条件では+2V以上の順バイアス電圧で、また、逆バイアス条件下で、PL強度の減少が起こる。即ち、順バイアス電圧下でのキャリアー離脱による発光効率の減少が起こることを直接的に検証した。さらに、間接励起下では、+2〜3Vの順バイアス下で発光効率が増大し、+3.25V以上の順バイアスにより発光効率が減少する。これは障壁層から発光層へのキャリアー捕獲が発光効率に重要な役割を持つことを意味している。このことは、緑色InGaN単一量子井戸ダイオードのEL発光効率の100K以下の低温に見られた減少の理由を説明できる。即ち、順バイアス電圧の大きさがキャリアーの発光中心への捕獲に重要な役割を演じていることを、直接励起下でのPL発光強度のバイアス電圧依存性との比較から明らかにした。(3)N型電子溜層付青色多重量子井戸発光ダイオードのPL発光効率外部電界効果の実験、特に、励起光強度依存性の実験から、電子溜層と活性層のPL強度比較により、逆バイアス下でのPL発光の減少は光生成した正孔の捕獲により律則されることを明らかにした。
すべて 2007 2006 2004
すべて 雑誌論文 (15件)
Thin Solid Films 515
ページ: 4480-4483
Applied Physics Letters 90[16]
ページ: 161109-1-3
Physica Status Solidi (c) 4[7]
ページ: 2768-2771
The proceedings of the 2006 Conference on Optoelectronic and Microelectronic Materials and Devices (IEEE Press) (未定)(印刷中)
Thin Solid Films Vol. 515
Physica Status Solidi (c)4[7]
Proceedings of the 2006 Conference on Optoelectronic and Microelectronic Materials and Devices, to be published by the IEEE Press (in print)
Physica Status Solidi (c) 3[6]
ページ: 2203-2206
Physica Status Solidi (c) 3[3]
ページ: 589-593
Journal of Applied Physics 100[11]
ページ: 113105-1-7
Physica Status Solidi (c)3[6]
Physica Status Solidi (c)3[3]
Proceedings of 13th International Semiconducting and Insulating Materials Conference (Beijing, China, September 20-24, 2004)
ページ: 276-280
Proceedings of 13th International Semiconducting and Insulating Materials Conference (Bejin, China, September 20-24, 2004)