研究課題
本年度は、紫外光誘起光導波路上にCNTを蒸着した導波路型、および光ファイバをD型に研磨したDシェイプ光ファイバ上にカーボンナノチューブ(CNT)を蒸着した光ファイバ型のデバイスを試作し、いずれでも光スイッチングが可能であることを示すことができた。CNT光デバイスの集積化やCNTの効果を高めるために、我々は平面導波路型のCNT光デバイスを提案している。本研究では、非線型ループミラー(NOLM)構成での全光型光スイッチを試作した。1cmのCNT蒸着平面導波路を用いて、〜20%の分岐比変化を得た。紫外線誘起屈折率変化により作製した上部クラッドのない石英系平面導波路の上部にCNTをスプレーすると、導波路モードのエバネッセント波とCNTが相互作用し、平面導波路型CNT光素子となる。平面導波路型CNT光素子によりNOLM型光スイッチを構成したところ、自己位相変調効果により20%程度の分岐比変化が得られ、理論とよく一致した。非線型定数γは10^6W^<-1>km^<-1>のオーダと見積もられた。また、平面導波路型CNT光デバイスと同様の原理で動作する光ファイバ型CNTデバイスを試作した。光ファイバの側面をコア部分から数μmとなるようにD型に研磨し、5cmのDシェイプ光ファイバを作製した。その研磨した部分にCNTを蒸着し、光ファイバ型CNTデバイスとした。この光ファイバ型CNTデバイスを非線形偏波回転による非線形光スイッチとして用いたところ、わずか5cmの光ファイバにもかかわらず50mW程度のパワーでスイッチングを実現できた。消光比も20dB以上が得られた。ここから計算される非線型定数γはやはり10^6W^<-1>km^<-1>程度となることがわかった。
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Japanese Journal of Applied Physics (JJAP) vol.45, no.1
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2006年電子情報通信学会総合大会 no.C-3-12
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