研究課題
基盤研究(B)
本研究は、研究代表者が提案している分極反転構造を用いた高周波電気光学変調技術を用いて、ミリ波帯で動作する新しい小型高性能光周波数シフタを開発することを目的とする。これにより、高密度波長多重光通信システムのための周波数間隔(Δf=50GHz)が正確に揃った光源列の生成や高精度レーザー分光用周波数連続可変光源への応用を図り、新しいマイクロ波フォトニクス技術の開拓を目指すものである。本年度は下記の研究成果を得ることができた。1.光周波数シフタの動作解析と設計研究代表者が新たに考案した、共振線路変調電極と分極反転構造を組み合わせた光周波数シフタの動作解析を行い、変調特性、光周波数シフタとして動作させるための条件を求め、期待される特性を明らかにした。また、プロトタイプデバイスとして、準ミリ波帯15GHzおよびミリ波帯42GHzで動作するデバイスの設計を行なった。2.デバイスの試作・動作実験設計に基づいて、デバイスの試作を行なった。基板にはz-cut LiTaO_3を用いた。動作実験の結果、設計周波数において共振効果による高効率変調動作と分極反転による変調位相制御特性を確認した。特に、15GHz帯で設計したデバイスでは、数GHzにわたり、良好な光周波数シフタ動作を示すことを明らかにした。3.レーザー分光への応用さらに、試作した15GHz帯光周波数シフタを用いて、原子ガスセル(ヨウ素セル)の吸収スペクトルの観測を試みた。マイクロ波シンセサイザを用いて試作光周波数シフタを駆動して光周波数を連続掃引することで、原子ガスの吸収スペクトル線を分離・観測することに成功した。これにより、考案したデバイスの有用性を明らかにした。
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IEICE Transaction of Electronics (in press)
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