研究課題/領域番号 |
16360181
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
面谷 信 東海大学, 工学部, 教授 (80297192)
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研究分担者 |
中村 賢市郎 東海大学, 工学部, 教授 (90056086)
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キーワード | 電子ペーパー / ペーパーライクディスプレイ / リライタブルペーパー / フレキシブルディスプレイ / 電子書籍 / 電子新聞 / ER流体 / 液体マイクロレンズ |
研究概要 |
1.電子ペーパーを実現するための表示技術の研究 今年度は液体マイクロレンズ表示方式およびER流体を用いた表示方式の検討を中心に下記のような検討を行った。 (1)液体マイクロレンズ表示方式の検討 物質表面の濡れ性を電気的に制御して互いに接する2つの液体の界面曲率制御を行う液体マイクロレンズ表示方式の基本動作確認を行い、電子ペーパーへの応用可能性を確認した。 (2)ER流体を用いた表示方式の検討 電界を印加すると鎖状のクラスタを形成して整列する性質を持つER流体(Electro Rheological Fluid:電気粘性流体)を用い、電界による整列時に被覆面積が減少することを表示素子の透過率変化に利用して表示を行う方式について検討した。電極形状の工夫を行うことにより繰り返し書き込み特性を確認し、また製造上現実的なセル構造を提案することができた。 2.電子ペーパーの満たすべきヒューマンインタフェース条件の検討 今年度は(1)媒体呈示条件による影響調査(2)ディスプレイ作業における疲労原因の検討(3)ディスプレイ画面と紙面での校正作業比較の3項目について実験を行い、成果として次の結論を得た (1)ディスプレイ作業で使用されるスクロール式の読み方と紙媒体で使用されるページめくり式の読み方の差異に注目し、これらの読み方の理解度や作業所要時間に対する影響を被験者実験により定量的に調べた結果、小説類を一方向に一読するような読み方に関してはスクロール式が、教科書や参考書をくり返し飛び飛びに参照するような読み方に関してはページめくり式の読み方が有利であることが示された。本結果は電子書籍端末を教科書や参考書として使用する場合において、ページ概念を明確に持たせることの重要性を示唆する。 (2)電子書籍端末として読みやすい画面サイズについて被験者実験によりその最適範囲を明らかにした。 (3)電子書籍端末として許容できる媒体重量について被験者実験により明らかにした。
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