研究分担者 |
吉村 博幸 千葉大学, 工学部, 助教授 (90261354)
高橋 応明 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助教授 (70267342)
齋藤 一幸 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助手 (80334168)
三浦 周 独立行政法人情報通信研究機構, 主任研究員 (10358939)
山本 伸一 独立行政法人情報通信研究機構, 主任研究員 (50358933)
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研究概要 |
本年度に行った研究の主な成果は,ETS-VIIIを利用した移動体衛星通信実験に用いる移動局用アンテナの開発,および模擬実験による実使用環境での特性測定である.アンテナはモーメント法,ならびに有限要素法を使用した電磁界シミュレータAnsoft社Ensemble及びAnsoft社HFSSを利用して設計および検討を行い,電磁結合給電型の円偏波三角形パッチアンテナ,および2周波共用三角形パッチアレーアンテナを開発した.開発したアンテナは,数値計算ならびに,試作品による測定によって基本的な特性を得た.結果より,アンテナはETS-VIIIを利用した通信実験にて使用する受信周波数2.5GHzおよび送信周波数2.65GHzにて使用可能であり,通信速度約128kbpsを確保するために必要な,利得5dBic,軸比3dB以下を,東京から見える衛星の仰角48°全方位角方向で満たすことを確認した.また,衛星通信システムを構成する上で必要となるフィルタの機能も付加し,送受信のポート間で15dB以上のアイソレーションを実現した.なお,この結果は,IEEE AP-S, ISAP04,電子情報通信学会技術研究報告(アンテナ伝播研究会),電子情報通信学会総合大会などの学会にて報告した.次に実際に使用した場合における放射特性を把握するため,アンテナを実験車両の屋根に搭載し、高さ32mの建物に設置した模擬衛星局からの電波を利用して衛星通信模擬実験を行った.実験では,実際のETS-VIIIを利用した移動体衛星通信と同じ周波数を利用し,あらかじめ設計した回線パラメータに基いて通信を行った.なお免許は平成14年度に総務省より取得した実験局免許を使用した.実験によるデータの解析結果によって,車両搭載時においても給電のON, OFFのみによりビーム切替が可能であることを確認し,本アンテナが有効であることを示した.なお,実験により得られた結果は,電子情報通信学会技術研究報告(衛星通信研究会),にて報告し,IEEE AP-S,電子情報通信学会総合大会でさらに解析を進めた内容を発表する予定である.
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