研究概要 |
環境駆動型セキュアネットワークシステムを実現するためのキーテクノロジーを以下の3つの面から研究を進めた。 1 ネットワークシステムアーキテクチャ ユーザが必要とする情報やサービスをシームレスにかつワールドワイドに提供する環境駆動型ネットワーク、特にバスや電車のような移動するネットワークにおいて複数のモバイルルータ間でパケットの受け渡しを行うことにより、ハンドオーバ遅延とパケット損失を減らす方式 (CoMoRoHo)及び、異なる種類のモバイルアクセスネットワーク間のハンドオーバで、無線LANのアドホックモードの中継ノード経由でパケットを転送することにより、パケット紛失を最小限に抑えるGraceful Vertical Handover方式を提案し、シミュレーションにより,その有効性を確認した。 2 シームレス・サービスモビリティ ユーザが移動する環境でサービスを継続する方式として、人間の自然な動作(方向指示動作)を活用して,ある通信端末から別の通信端末にサービスハンドオーバを行うシステムを提案した。 3 プライバシー保護/セキュリティ技術 複数人が存在する環境下で各人の個人データを入力として一つの問題を解く「複数者計算問題(MPCP問題)」を対象にプライバシー流出の新しい評価尺度Min Metricの提案、MPCPの典型である会議スケジューリング問題に対するプライバシー流出の少ないスケジューリングアルゴリズムEPMSの提案、モバイルエージェント用サーバ支援型プライバシー保護システムiCOPの提案等を行った。 また、ユーザコンテクストが動的に変化を自動的に検出して,サービスやデータベースへのアクセスを提供できない状態になったかどうかを常に判断する動的アクセス制御方式の判断機構(コンテキストサーバ)をネットワークに分散配置する構造とイベント通知機構の組み合わせにより,ネットワークスケーラブルなコンテクストアウェア・アクセス制御を実現する方式ACA^2を提案した。
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