研究課題
一般に制御系システムは、効率化のために一枚岩のカーネルコードとして構成されている。このためプログラム開発は非常に高度のスキルを要し、システム開発のネックになっている。本研究では、分散ソフトウェアバスを実現して、従来カーネル空間にあったプログラムのコンポーネント化して保護されたユーザ空間化することで、プログラム開発の容易化と信頼性向上を進めている。(1)L4マイクロカーネルを用いた分散ソフトウェアバス:以下の検討を進めた。本分散ソフトウェアバスは、マイクロカーネルと仮想マシンの両機能を提供する。両機能はかなりの部分が共通なので、マイクロカーネルに小さな機能追加をするだけで仮想マシンも実現出来る。・制御システムに要求される各サービスは、マイクロカーネル上のユーザモードタスクとして実現できる。これにより、プログラム開発の容易化、対障害性強化が行なえる。・仮想マシン機能を用いて、既存プログラムを走らせる。例えば、開発のやっかいなデバイスドライバは、TRONと既存デバイスドライバを流用することを可能とする。・両機能は、L4マイクロカーネルの通信機能により効率も融通性も高く、連携処理を行なえる。(2)移動に対してもサービス継続可能なリモートデバイスアクセス機構ユーザが計算機やデバイスを持ち歩きながら、他の計算機と連携処理を行なえるソフトウェアを検討し、試作を行なった。計算機間の通信や、移動時のコネクション切換えの機能をユーザランドのプログラムとして実装することにより、開発の容易化と拡張性を達成した。
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Proc.of Int'l IEEE Conf.on Industrial Informatics