研究概要 |
平成16年度の成果をベースに,画像認識を対象としたデータの直接回路化によるパターン認識装置の基本回路設計を行った.さらに,実用化に向けて,画像の前処理,および,取り込みのためのカメラシステムの基本設計を行い装置開発に着手した.これにより,実用化を目指した認識システムを構築できると考える.また,超高速化をターゲットとしたギガヘルツ級の信号伝送技術についてのアイデアが生まれ,これについてのシミュレーション実験を行った.以下に具体的な成果を示す. 1)対象画像を後段の認識装置で高精度に認識するためには,画像の回転,並行移動,拡大/縮小に対応する必要がある.この中でも,画像の拡大/縮小に追従することが高精度認識には不可欠である.この課題に対して,「ピラミッド法」に基づき画像の拡大/縮小に対応できるアルゴリズムを開発し,その回路設計を行った.さらに,対象画像に対してピラミッド法を適用する範囲をスキャンすることにより並行移動や拡大/縮小に対する頑健性を向上させることができた. 2)提案するシステムの実用化(安心・安全のためのインテリジェント監視システムへ適用)を目指し,サーボモータ付CCDカメラと認識装置を連動したターゲット追尾システムの原理実験を行った.さらに,動く物体をターゲットとした追尾カメラシステムを試作・評価し,(移動物体の検出・追尾)動作を確認することができた.追尾のための画像前処理は,FPGAを使うことでビデオレートに追従した高速化が可能であることがわかった. 3)プリント基板上の信号伝送速度を向上させるための信号波形整形技術について,シミュレーション実験を行い,提案手法の原理的な有効性を確認した.今後,この技術が現在開発中の認識システムのプリント基板等に適用可能であるかを検討する.
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