研究概要 |
平成17年度までのシミュレーション実験と試作装置をベースに,認識システムのプロトタイプを完成した.本年度に実現した具体的な技術は以下の通りである. 1)エッジ検出,フレーム差分,低周波フィルタ(モザイク化),フィルタスキャン等の画像の初期処理アルゴリズムの回路コンポーネントを個別に開発し,これらをアプリケーション毎(顔,手形状,記号などの異なった認識対象)に最適な組み合わせに変更することが可能な"リコンフィギュラブル画像前処理回路"を設計し,これをFPGA上に実装した. 2)認識システムをイーサネットでネットワーク接続し,インターネット上で認識処理を観測できるシステムに統合した.これにより,本システムを安心・安全のためのインテリジェント監視システムへ展開するための新たな研究をスタートした 3)昨年度開発したサーボモータ付CCDカメラ機構(試作装置)を発展させ,高速駆動可能なカメラ機構を試作した.具体的には磁気駆動方式を利用し,サーボモータより高速かつ小型なシステムへの展開を計った. 4)本研究開発中に提案された高速信号伝送技術においては,別途,同軸線路等を用いたスケールアップ字実験を行い,本システムはもとより,他の高速信号処理システムのための基本技術としての研究展開を開始した. 試作した本プロトタイプの応用については,これを安心・安全のためのインテリジェント監視システムへ適用する検討を行った.インテリジェント監視システムとしての性能評価実験を行い,高速に移動する物体を検出し,追尾することができることを確認した.特に,追尾のための画像前処理は,FPGAを使うことでビデオレートに追従した高速化が可能であることがわかった.
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