研究課題
平成17年度は下記の研究を行い、良好な成果を得た。1.散乱ピーク測定時のSN改善に関する検討平成16年度に完成した薄膜の高周波縦波及び横波音速の同時測定計測系を改善し、特に測定系周辺の電気ノイズ対策を行い、フォトンカウンティングの暗騒音レベルを1〜2cts程度に低減した。また、非常に弱い横波音速の高精度測定を目的に、熱フォノンだけでなく、アクティブに超高周波域の横波ブリユアンスペクトル増幅を行う測定系を構築する基礎デバイスとして、ZnO横波発振デバイスの開発と光学系への組み込みを検討し、200-600MHzの周波数帯域で動作するZnO横波発振デバイスの成膜に成功し、高次モードを利用することにより、1-4GHz程度の横波増幅のめどをたてることができた。2.音速分布測定及び周波数分散測定用散乱光学系の検討ほか平成16年度に組み込んだ顕微光学システムによるブリユアン散乱測定系を用いて、比較的やわらかく、散乱ピークの弱い高分子系フィルムを対象に、音速の周波数分散測定の光学系を構築した。入射光と散乱光角度の自由度を広げ、試料によっては、0.8〜3GHz程度の周波数分散測定が可能となった。また、マイクロステージを組み込むことにより、フィルムや薄膜の面内の縦波・横波音速分布の測定が可能となった。実際に圧電高分子フィルムPVDFの面内音速分布を測定し、10×10mmの試料中にも縦波で2%程度も音速の局所的ばらつきがあることを見出した。加えて光散乱測定中の試料に引張応力も印加できるシステムを構築し、微小な応力印加による音速変化の計測から、非破壊・非接触に試料の3次の弾性定数を精度よく測定できることを示した。
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