研究分担者 |
土谷 隆 統計数理研究所, 数理推論研究系, 教授 (00188575)
瀬部 昇 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90216549)
古賀 雅伸 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90251644)
伊藤 博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70274561)
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研究概要 |
本研究プロジェクトの目的は,情報技術・計算パワーを駆使した制御系設計を「計算制御論(Computational Control Theory)」として位置付け,新たな制御系設計論として開拓していくことである.制御系に要求される仕様が高度化することにより,理論的には解くことが困難な問題でも,数値的最適化法を用いることにより,実用的な範囲での準最適解を求めることが可能になることがある.そのような数値的最適化法を開発すると同時に,膨大な計算量が必要な場合には,並列計算を用いて数値解を求めることを目的とする.このような目的の下,本年度はつぎのような結果を得た. 1.昨年度の実績を発展させて得られた結果 (1)ネットワーク遅れを含むシステムのロバスト制御系設計に関して,サンプル点間を含めた性能を評価する方法を定式化し,数値実験を用いてその有効性を確かめた. (2)入力飽和システムに対してパラメータ依存リヤプノフ関数を採用した上で,パラメータの変化速度を考慮に入れた解析方法を開発し,数値実験を用いてその有効性を確かめた. (3)並列計算用PCクラスタ上へ並列計算用半正定値最適化ソフトウェアを実装し,それを用いた並列計算による数値実験を行った. 2.今年度に新たに得られた結果 (1)グレーボックスモデルのパラメータ同定問題において,初期状態が既知であるという条件の下で,少ない入出力データからパラメータ推定を行う数値的方法を開発し,数値実験を用いてその有効性を確かめた. (2)双線形システムに対する最適制御問題から導出される状態依存型リッカチ不等式の可解問題をSOS(Sum of Squares)最適化問題として表現できることを示した.さらに,これを数値的に解く方法として,1の(3)で得られた並列計算PCクラスタが利用可能である可能性を示した.
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