研究課題/領域番号 |
16360216
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大即 信明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
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研究分担者 |
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
西田 孝弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10345358)
河野 克哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40361779)
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キーワード | 鉄筋コンクリート部材 / 鉄筋腐食 / 初期欠陥 / 耐久性 / 中性化 / 塩害 / 実構造物 / 微小試験 |
研究概要 |
本年度の研究では、初期欠陥を模擬した供試体を作成し、その諸物性および鉄筋腐食に及ぼす影響を検討した。以下に本年度の研究で得られた主な結果を示す。 (1)材料分離の影響を受けたコンクリートの諸物性は、鉄筋コンクリートの上部となるほど、あるいはブリーディング率の上昇に伴い、低下することが確認された。特に、ブリーディング率が6。68%の場合、供試体底面から145cmに位置するモルタルの微小圧縮強度は供試体底面から5cmに位置するモルタルのそれと比較して55%低下し、微小Cl^-拡散係数は3倍増大することが確認された。 (2)鉄筋コンクリートの上部となるほど、材料分離の影響を受けたコングリート中の鉛直方向鉄筋および水平方向鉄筋の腐食速度は速くなることが確認された。また、その腐食速度はコンクリートの比抵抗および水平方向鉄筋下部の間隙量にそれぞれに依存することが確認された。 (3)材料分離の影響を受けたコンクリート供試体中での鉄筋の腐食速度の温度依存性に関して評価した結果、本論文の範囲内(周辺温度20℃〜40℃、湿度55%)では、温度の上昇に伴い、鉄筋の腐食速度が速くなることが確認された。特に、この傾向はブリーディング率の上昇に伴い、大きくなることが確認された。また、鉄筋の腐食速度と温度の関係はアレニウスの式に従うことが確認された。 (4)隙間面積の増大に伴い、水平鉄筋での腐食速度は速くなることが確認された。 (5)乾湿繰返し環境の方が、水中浸漬環境より、隙間を有する水平鉄筋での腐食速度は速くなることが確認された。また、乾湿繰返し環境の場合マクロセル卓越型の腐食、水中浸漬環境の場合ミクロセル卓越型の腐食となることも確認された。 (6)セメントペーストによる水平鉄筋の被覆あるいはフライアッシュの使用により、水平鉄筋での腐食速度を抑制できることが確認された。
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