研究概要 |
1.三次元地質構造を考慮できる急曲線対応シールド機挙動モデルの開発: 2004年度に実施した現場実験のデータを対象として,昨年度,シールド機挙動シミュレーションを実施した.その結果,当該トンネル周辺地盤がトンネル横断方向に傾斜していることが判明した.そこで,2004年度に開発した急曲線対応シールド機動力学モデルを基に,三次元地質構造を考慮できる急曲線対応シールド機動力学モデルを開発した. 2.地盤物性値逆解析手法の開発: 2004年度に開発した地盤物性値(静止土圧係数・地盤反力係数等)を逆解析するアルゴリズムを用いて,プログラムを開発した. 3.現場実験データ解析・検討: 2004年度に実施した現場実験のデータを,「1」で開発した三次元地質構造を考慮できる急曲線対応シールド機動力学モデルに適用して,シールド機挙動シミュレーションを再度実施した.その結果,同モデルにより,実際のシールド機の挙動を高い精度でシミュレーションできることが確認された. 4.現場実験データを用いた地盤物性値逆解析: (3)で得られたシールド機に関連する動的摩擦特性と,(2)で開発した地盤物性値逆解析手法を,(4)の現場実験データに適用し,シールド機挙動モデルに関連する地盤物性値を逆解析したが,安定した結果を得るには至らなかった.これは,逆解析対象物性値の一部に共線性があり,使用する説明変数と目的関数を取捨選択する必要があるためと考えられる.本年度は,当該トンネル周辺地盤がトンネル横断方向に傾斜していることが判明し,これに対応するため時間を要した.今後,現場実験データを用いた地盤物性値逆解析を行う予定である. 5.情報収集: 土木学会年次講演会(大津),地盤工学会年次講演会(鹿児島),土木学会トンネル工学研究発表会(東京)に参加し,本研究に関連する情報を収集した.
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