研究分担者 |
細田 暁 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50374153)
近藤 一夫 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00116584)
河合 研至 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90224716)
丸山 一平 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (40363030)
伊藤 秀敏 広島工業大学, 工学部, 助教授 (90104067)
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研究概要 |
低熱ボルトランドセメント,膨張材,収縮低減剤を使用し,載荷以前に生じる自己収縮を低減し、さらに圧縮強度が100N/mm^2以上で、最大自由膨張ひずみが最大で200×10^<-6>に達する場合のある高強度膨張コンクリートの製造をした。拘束応力は鉄筋比により異なるが概ね0.5〜-0.2N/mm^2であった。 若材齢時のクリープ特性については、縦置きおよび横置き型試験機で検討し、進行速度と最終値を実験結果から求めて、既往のクリープ予測式を改良した。膨張材を用いたクリープは無混入に比べて大きくなる傾向はあるが、大きく異ならないことを示した。 水結合材比が0.15と極めて小さい場合は、鉄筋周辺に収縮に起因する微細ひび割れが生じることを、ひび割れによる負圧により浸透した着色したエチルアルコールにより検出した。この微細ひび割れは高強度膨張コンクリートには生じないことも確認した。また、この微細ひび割れが生じた場合の拘束応力を、重ね合わせの原理に基づくsep-by-step法に基づく3次元FEMに、新たにモデル化した時間とともに変化する引張軟化曲線を組み込むことにより高い精度で予測できることを示した。 若材齢時のコンクリートの長さ変化がRCはりの短期及び長期曲げひび割れ評価では、鉄筋位置のコンクリート応力度が0の状態からの鉄筋応力度の変化量に基づく方法を、また短期及び長期曲げ変形については鉄筋とコンクリートの弾性応力からなるひび割れ断面の曲率を加算する方法を提案している。ひび割れ幅が小さい場合には、引張軟化の考慮が必要である可能性も示した。 せん断特性への影響については、収縮低減することにより、斜めひび割れ発生強度が、有効高さd=250mm、500mm、1000mmの場合5%、12%、19%それぞれ向上することを示した。また若材齢時の長さ変化に依存せず、引張鉄筋の長さ変化に基づく等価引張鉄筋比の概念により寸法依存性が有効高さの-2/5乗に従うことを示し、新たな斜めひび割れ発生強度式を提案した。さらに、せん断補強したRCはりのせん断補強筋比が0.25%程度の場合には、せん断強度が13%程度低下することを示し、上記の斜めひび割れ発生強度式を用いた修正トラス理論によりせん断補強筋応力もほぼ推定できることを示した。 以上を取りまとめ16,17,18年度の総括をした。
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