研究課題/領域番号 |
16360221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002303)
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研究分担者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
佐藤 太裕 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00344482)
須藤 敦史 (株)地崎工業, 土木技術部, 主任研究員
佐藤 京 北海道開発土木研究所, 構造研究室, 研究員
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キーワード | 構造工学 / コスト縮減 / 設計工学 / 寒冷地工学 / 山岳トンネル |
研究概要 |
トンネルの支保構造の設計は、標準化に伴う設計法の硬直化により、ややもすると地上の構造物の設計に比べて過大な設計になりがちである。本研究は、設計段階における建設コスト縮減の着目点を抽出し、寒冷地特有の諸条件を加味した道路トンネルの支保構造設計法を提案することを目的に行うものである。 1)二次覆工コンクリートの経年変化に関する実務者の聞き取り調査及び現場抜き取り試験 多くの実務者から、北海道は冬季の間厳しい気象環境に置かれるため、二次覆工コンクリート(特に坑口付近)は低温状態による凍害・疲労等が懸念されるとの指摘を受けた。これを受け、建設年数の異なる4トンネルにおいて、二次覆工コンクリートの抜き取り試験(圧縮強度、中性化深度、推定配合)を実施した。その結果、経過年数に応じてコンクリートの中性化深さは大きくなる傾向を示すこと、同様に推定水セメント比も大きくなる傾向にあること、一軸圧縮強度は小さくなる傾向を把握できた。なお、抜き取り数が少ないために、経年劣化の進行過程の把握までには至っていない。 2)断熱材設計及び地山凍結深度の算定に必要となる坑口・坑内気温の推定について 気温変動の合理的算定法として、確率・統計的な方法(バリオグラム)及び観測値を下に回帰式を求めた。その結果、回帰式による推定値はトンネル建設地点周辺のアメダスの観測気温を用いることにより高い精度を与えること、トンネル延長方向における年平均気温の上昇の程度及び年振幅の減衰の程度は、トンネル坑内風の状況を考慮すれば、実用的かつ精度良く求められることが分かった。 3)トンネル支保構造物の設計法の検討 鋼アーチ支保の影響を取り入れた支保工特性曲線を求めて、その効果の検討を行った。その結果、鋼アーチ支保の効果は、吹き付けコンクリートが若材令(弾性係数の値が小のとき)及びその厚さが小さいとき程大きくなることが分かった。
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