研究課題/領域番号 |
16360230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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研究分担者 |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
本田 利器 京都大学, 防災研究所, 助手 (60301248)
吉田 郁政 東電設計(株), 地盤・構造部, 研究員
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キーワード | 位相スペクトル / 群遅延時間 / 確率微分方程式 / 因果性 / 地震動シミュレーショ / 回帰式 / 群遅延時間のモデル化 / 群遅延時間の不確定性 |
研究概要 |
地震動の新しいシミュレーション法を開発することを目的として、本年度は以下の成果を得た。 (I)地震動記録の収集:既存の地震動観測記録のデータベースから内陸地震でマグニチュード7クラスの地震動記録を抽出し、それらをデータベース化した。 (II)確率微分方程式に基づく群遅延時間の表現とそれを利用した位相のモデル化:周波数帯域上での群遅延時間の変動特性がブラウンノイズで制御される確率微分方程式で表現できるものとして、理論展開を行う。確率微分方程式のパラメータを観測データに基づいて推定する。確率微分方程式を規定するパラメータの回帰式を震源パラメータ、震源断層までの最短距離、局所的な地盤条件を説明変数として構築した。 (III)位相スペクトルからフーリエ振幅スペクトルを決定するための理論:因果性を有する時系列(ある特定の時刻に信号時系列が到着し、一定の継続時間の後、再び信号の振幅がゼロになる時系列)では、位相スペクトルからフーリエ振幅スペクトルの相対的な大きさを決定できるので、そのための理論を開発する。さらに開発された理論に基づいて、位相スペクトルから、時系列の時間変動の形状を決定するためのアルゴリズムを開発した。 (IV)提案手法の妥当性の検証:位相の不確定性が地震動の時系列に及ぼす影響を明らかにする。まず、地震動のフーリエ振幅スペクトルが確定値として与えられたときに、群遅延時間の不確定性が時系列の平均値と分散の時間変動に及ぼす影響を解析的に表現し、その結果とモンテカルロシミュレーションの結果を比較し、解析解の妥当性を検証した。
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