研究分担者 |
渡邊 康玄 北海道開発土木研究所, 河川研究室, 室長 (00344424)
泉 典洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260530)
竹林 洋史 徳島大学, 工学部, 助教授 (70325249)
渡部 靖憲 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20292055)
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研究概要 |
渡邊は複列砂州のモード減少過程を詳細に検討を行うことを目的として,従来砂州の波高等,平衡状態の砂州形状に対しての評価が行われてきた砂州の弱非線形解析について,発達過程への適用性について検討を加えた.さらに,植生が繁茂している河川の砂州形状についてその影響を把握するとともに,弱非線形解析を適用しその適用性について考察を行った.一方小規模河床形態については,沙流川の既往最大洪水である2003年8月洪水時の水位変化からその発生状況を確認した. 泉はこれまでのデューンの弱非線形安定解析では,Kovacs-Parkerの流砂量公式を用いると,局所勾配の影響を適切に見積もってもデューン-平坦床遷移時に亜臨界分岐が現れにくくなることに着目して、Kovacs-Parkerの式に圧力勾配の影響を導入することによって,局所勾配の影響を適切に考慮しても亜臨界分岐が現れることを示した.また、これまでの水路群形成の理論では,正式な線形安定解析を可能にするために水路形成以前の斜面形状として自己保存型の形状を仮定していた.凍結時間近似と瞬間的安定性の概念を導入することによって,従来の理論を任意形状を有する斜面に拡張した.さらにその理論を応用することによって水路頭部の分岐現象を説明するための初歩的なモデルを提案した. 渡部はリップル上の浮遊砂及び流体速度場の同時計測に向けた実験環境の整備及びテスト実験を行った.2台の高速カメラ及び異なる光学フィルターを使用して,浮遊砂と中立粒子を分離してテスト計測を行い,来年度実施予定の本実験に向けた精度検証並びに基礎データを取得した. 清水は従来の河床波の安定解析理論では河床波の発生、発達機構が十分に説明できないという問題点に基づき、新たに2次元河床波の解析モデルの提案を行った.流れの計算は2次元非定常・非圧縮モデルを用い、計算はCIP法を用いた.乱れの計算はk-εモデルを用い、従来行われた実験との比較を行った。また、2003年8月に北海道、日高地方に発生した厚別川の氾濫解析を行い、氾濫原を含む土砂堆積・侵食の検討を行った。
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