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2004 年度 実績報告書

合流式下水道における未規制リスク因子の雨天時流出ダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16360262
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

古米 弘明  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40173546)

研究分担者 中島 典之  東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (30292890)
片山 浩之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00302779)
藤田 昌史  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (60362084)
キーワード合流式下水道越流水 / 堆積物 / 病原微生物 / ウイルス / 分布型モデル / PCR / キノンプロファイル / 雨天時汚濁流出解析
研究概要

1.管路内堆積物中病原微生物分析手法の確立
今年度は、下水管路内の堆積物の採取を行うため下水道局との調整を行なったのみであり、採取自体は行なうことができなかった。そこで、流入下水に含まれる固形分に付着したウイルスの回収方法について、東京都の下水処理場の流入下水を対象として検討した。海水や水道水から高い回収率をもつ陰電荷膜吸着酸洗浄アルカリ誘出法を適用した結果、モデルとして用いたポリオウイルスの回収率は平均15%であった。同じウイルス濃縮法を河川底泥に適用した場合、PCR阻害物質の影響が大きかったため、酸洗浄を行わずにウイルスを回収する方法を開発した。この方法は70%程度の高い回収率が得られたが、PCRの阻害因子を除去する過程で収率が下がり、総合的には30%程度の回収率と評価された。
2.管路内堆積物中微生物群集構造の解析
雨天時越流水由来の懸濁物の堆積先として東京湾の底泥を対象に、微生物群集構造解析のためにキノンプロファイル分析を実施した。ユビキノン(Q)とメナキノン(MK)を分析してそれらの比率で評価を行なうと、通常の底泥ではQ/MK=0.5程度であり、好気性微生物と嫌気性微生物が同量程度存在していることが解釈された。
3.調査対象排水区のネットワークモデル化と汚濁物質挙動の表現
調査や汚濁解析候補排水区として、過去に雨天時越流解析の実績のある東京都区内の8箇所の排水区と千葉市市街地の排水区を選定した。そして、その排水区の管路ネットワークデータについて複数の分布型モデルソフトウエアに相互に活用できるように再整理を行なった。また、管路内堆積物挙動や堆積量分布の定量的評価に適用例もあるAcker and White式について、その有効性を検討した。その結果、晴天時のような低流量における堆積量予測式としての限界とソフトウエア上での不具合を見出した。したがって、ソフトウエア上での物質収支に不具合の生じない流量を見出すとともに、その条件での雨天時流出解析の結果の妥当性を確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 合流式下水道雨天時汚濁解析のための管路内堆積物局在状況の推定手法2004

    • 著者名/発表者名
      糸井優輔
    • 雑誌名

      環境システム研究論文集 Vol.32

      ページ: 183-190

  • [雑誌論文] CSO汚濁負荷の効果的削減を目的とした堆積物局在管渠の簡易な特定手法の検討2004

    • 著者名/発表者名
      糸井優輔
    • 雑誌名

      第41回下水道研究発表会講演集

      ページ: 366-368

  • [雑誌論文] Calibration and application of a distributed model to evaluate the effect of stormwater reservoir operation on the reduction of annual CSO suspended solid load2004

    • 著者名/発表者名
      Jinadasa H.K.P.K
    • 雑誌名

      Proceedings of NOVATECH 2004(5th international conference on sustainable techniques and strategies in urban water management)

      ページ: 1227-1234

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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