研究課題
基盤研究(B)
途上国で多用されている鉄筋コンクリート(RC)造柱梁フレーム内に煉瓦ブロック組積壁が充填された枠組組積壁架構を対象として、その耐震性能について実験的・解析的検討と現地調査を実施した。実験的検討では、1スパン1層のRC柱梁フレーム内に、有孔溝付き煉瓦ブロックを15段8列に芋目地状に積んだ壁パネル(縦1.05m×横1.75m、実大構造の約1/3縮小モデル)を基準試験体とし、3層建の1階を想定した定軸圧加力に曲げせん断繰返し水平加力を行った。柱幅は壁厚と同等(100mm)とし、組積壁には一切の補強を施していない。実験変数は、開口形状・開口位置・開口面積、シアスパン比、柱せい、補強法(木製窓枠・鋼製窓枠・片面格子筋モルタル)等の組み合わせで合計10体を作製した。加力実験の結果、耐震性能に関して以下の事項を明らかにした。i)架構のせん断耐力はモルタル目地の滑り耐力と側柱のせん断耐力が大きく関係する、ii)有開口壁では袖壁の滑り破壊が主要因となり、袖壁に加わる曲げ圧縮軸力が大きいほど抵抗力が増大する、iii)用いた3種の窓開口付き既存建物組積壁に対する補強法はいずれも開口低減耐力の約50%を回復し靭性も確保する、iv)有孔煉瓦ブロックの圧縮強度は異方性を示し45度方向は直線補間で推定できる。鉄筋コンクリート構造用に開発された非線形有限要素解析法を用いて、本研究で行った枠組組積壁試験体を対象に解析した。予め、煉瓦ブロック間のモルタル目地部で滑り破壊を生じる要素試験体の加力実験からせん断力-滑り関係を求め、これより目地部接合要素の構成則をモデル化し、変位増分法により荷重変形を求めた結果、目地部の直圧の影響を考慮する必要性が明らかとなった。最後に諸外国の構造設計規準ならびに関連の研究論文の収集資料に基づき比較検討を行うと共に、南米3カ国で実施した現地建物実態調査のデータを整理し規準との整合・不整合性を明確にした。
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コンクリート工学年次論文集 V.29-No.3(印刷中)
日本建築学会北海道支部研究報告集 Vol.81(印刷中)
Proceeings of EASEC-11 Vol.11(印刷中)
Proceedings of Japan Concrete Institute Vol. 29-No. 3
Proceedings of Hokkaodo Chapter, Architectural Institute of Japan Vol. 81
コンクリート工学年次論文集 V.28-No.3
ページ: 337-342
日本建築学会北海道支部研究報告集 Vol.80
ページ: 157-162
Proceedings of Japan Concrete Institute Vol. 28-No. 2
Proceedings of Hokkaodo Chapter, Architectural Institute of Japan Vol. 80
コンクリート工学年次論文集 V.28-No.2
ページ: 457-462
日本建築学会北海道支部研究報告集 Vol.79
ページ: 117-124
Proceedings of Japan Concrete Institute Vol. 27-No. 2
Proceedings of Hokkaodo Chapter, Architectural Institute of Japan Vol. 79
Proceedings of EASEC-11