研究課題/領域番号 |
16360275
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
畑中 重光 三重大学, 工学部, 教授 (00183088)
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研究分担者 |
三島 直生 三重大学, 工学部, 助手 (30335145)
村松 昭夫 株式会社建和, 代表取締役(研究技術開発担当)
犬飼 利嗣 東海コンクリート工業株式会社, 工場技術本部, 研究技術開発職
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キーワード | コンクリート / 耐久性 / ブリーディング水 / 真空脱水 / 加圧脱水 / 透水型枠 / 余剰水 / 圧密理論 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート構造物の耐久性改善手法として、各種の脱水工法が考案され、建設現場での施工やコンクリート2次製品工場での製品製造工程で実用されている。これらの工法は、材料内部の品質分布を理想的に変化させる事により、材料の持つ潜在能力を生かしきるという意味で、非常に効率の良い方法であり、今後、さらに広範囲な適用が進むことが期待される。 本研究では、各種透水・脱水工法によるコンクリートの品質改善効果の定量的な把握とそのメカニズムの解明を試みている。本年度は、各種の透水・脱水工法の中でも、特に真空脱水処理工法に注目し、その品質改善メカニズムの解明を試みた。以下に、その結果の概要を示す。 (1)圧密理論を用いた真空脱水工法の脱水メカニズムの解明 真空脱水処理工法を、大気圧による圧密現象と仮定し、真空脱水処理による脱水挙動のモデル化を試みた。真空脱水処理時のコンクリート内部の間隙水圧分布の測定結果からは、上層ほど間隙水圧が減圧される傾向があり、品質の分布は間隙水圧の分布に起因していることが明らかとなった。また、真空脱水処理されたコンクリート中の各成分の分布を計測した結果からは、真空脱水処理では水以外の成分の移動はほとんど発生せず、コンクリート各層の圧密脱水により品質改善が行われていると仮定できることが明らかとなった。以上の結果を基に、真空脱水処理による品質改善効果の推定手法を提案した。 (2)真空脱水処理過程におけるコンクリート中の空気泡の挙動の解明 真空脱水処理時には間隙水圧が減圧されるため、コンクリート内部の気泡が膨張し、このことが硬化コンクリートの品質に影響を及ぼすことが予想される。このため、可視化モデル材料を用いて真空脱水処理時のコンクリート中の気泡の挙動を観察した。その結果、真空脱水処理を長時間継続した場合には、コンクリート内部の空隙が増加する可能性があることが明らかとなった。
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