研究課題/領域番号 |
16360285
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長野 克則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80208032)
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研究分担者 |
横山 真太郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90002279)
濱田 靖弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40280846)
絵内 正道 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001991)
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キーワード | 多孔質材料 / 湿度 / 調湿 / VOC / ガス吸着 / 温度 / 稚内層形質頁岩 / 活性炭 |
研究概要 |
1.実空間への調湿機能を有する内装材設置した場合の調湿作用の実証実験 床面積7.5m^2の部屋の内壁23.2m^2部分に、稚内層珪質頁岩を1m^2あたり1.92kg含有する石膏ボードと普通石膏ボード表面に稚内層珪質頁岩を1m^2あたり0.68kg含有させた人工漆喰を塗布したものをそれぞれ設置して、日単位の加湿、除湿条件の繰り返し条件下におけるパッシブ的な調湿作用に関する試験を行った。その結果、両者とも普通石膏ボード仕上げ時に比べて、顕著な室内空気の調湿作用があることが判明した。また、加湿時の調湿作用は稚内層珪質頁岩の含有量によるが、除湿時の差は小さいことがわかった。この結果から、調湿作用のある多孔質材を石膏ボード表面に塗布すること、または石膏ボード中に含有させることの両方共が有効であることがわかった。 2.各種ガス吸着、調湿作用がある物質のVOC吸着・脱着特性に関する実験的検討 吸着物質としてリファレンスをガス吸着用活性炭、比較物質として稚内層珪質頁岩、珪藻土タイル、市販の脱臭剤を選び、トルエン、アセトアルデヒド、標準VOC7成分に対する吸着性能に関する試験を容量20Lの密閉チャンバーを用いて一定湿度条件下において行った。その結果、稚内層珪質頁岩は、上記ガスいずれも対しても活性炭とほぼ同等な吸着速度性能を持つことが判明した。一方、一度吸着したガスの脱着に関して、高温・低湿度環境下において試験を行った。その結果、稚内層珪質頁岩ではアセトアルデヒドに関しては明らかに脱着が見られたものの、トルエン、VOC7成分に関しては活性炭と同様に脱着は見られなかった。 次に、アンモニアとトルエンに関して最大吸着量を調べた。その結果、水溶性のアンモニアに関しては稚内層珪質頁岩は活性炭の30倍以上の吸着性能があることがわかった。しかし、トルエンに関しては、最大吸着量は活性炭の数百分の一であることが示された。
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