研究課題/領域番号 |
16360289
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
佐土原 聡 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (90178799)
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研究分担者 |
吉田 聡 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教授 (80323939)
稲垣 景子 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助手 (20303076)
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キーワード | 地域冷暖房 / 既成市街地 / 建物間熱融通 / 地域エネルギーマネジメント / 大深度地下 / 排熱供給幹線 |
研究概要 |
1.地域エネルギーシステム再構築のための対象地域の体系的整理 昨年度までの成果をもとに、地域エネルギーシステム再構築のための対象地域の体系的な整理を行った。具体的には既成市街地で地域冷暖房が未整備な地域、地域冷暖房整備地域、新規の再開発地域、臨海部に類型化された。これらの対象地域にはそれぞれ既存建物間熱融通、地域冷暖房間の連携、従来からの地域冷暖房、工場排熱利用システムが対応する。また、地域冷暖房整備地域にはさらに都市排熱処理システム、大深度地下を利用した広域熱供給網が考えられる。 2.既成市街地を対象とした建物間熱融通の利点の整理とケーススタディ 既成市街地における既存建物間熱融通の利点の整理を行った。特に隣接した建物同士で熱融通を行う場合、設備の導入時期の違いなどにより効率の差がある場合、低負荷時に高効率の設備から優先的に運転することによるメリットが大きい。このような利点による省エネルギー性を定量的に把握するために、東京都心部から比較的建物規模や用途が多様な港区を選び、既存建物間熱融通の導入可能性と効果の分析を行った。また、建物間熱融通の具体的検討事例(横浜市金沢区)を取り上げて、建物間連携、コージェネレーションの導入など省エネルギーに寄与する項目ごとの効果を定量的に把握した。 3.地域エネルギーシステムの将来像と課題の整理 東京都心部を対象に、2050年頃の低炭素社会に対応した熱供給網構築による地域エネルギーシステムの将来像を提示した。具体的には建物間熱融通の利点を活かして熱供給網を拡大しつつ、大深度地下の供給網によりごみ焼却場の排熱大規模コージェネレーションの熱の導入を図ることで低炭素社会に対応するものである。これらを実現するための計画・実施主体の問題など課題を整理した。
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