研究課題
本研究では、木炭やゼオライトなどの調湿材とガラスウール製断熱材を用いて住宅床下の湿度管理と物理的遮蔽を積極的に施すことによって、木質材料の耐久性がノンケミカルな手法によっても十分に確保できることを実証しようとするものである。床下モデル設置後約2年の温湿度計測と観察を行った。結果をまとめると以下のようになる。1.布基礎部に通気口を確保した床下モデル:モデル設置の初年度において、床下温度は調湿材の有無による差がなくほぼ同じであったが、相対湿度は調湿材有りモデルで無い場合よりも低くなる傾向が認められた。しかしながら2年目のシーズンでは、調湿材の有無による相対湿度の差は認められなくなった。各床下モデルの周囲に設置した餌木には2年目のシーズンにかなりの食害が認められたが、シロアリの進入を示すものはなかった。2.布基礎部に通気口を設けない床下モデル(ガラスウール基礎、スタイロフォーム基礎):半密閉となるこれらモデルでは調湿材の効果が約6ヶ月程度認められたが、その後床下部の相対湿度が調湿材の有無に関係なく飽和状態となった。各床下モデル周囲の餌木には食害が認められた。シロアリによる断熱材の食害および内部への進入は認められなかった。
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第56回日本木材学会大会要旨集 (CD-ROM)
木材加工技術協会年次大会講演要旨集 26
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