研究課題/領域番号 |
16360304
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
木之瀬 隆 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (10214850)
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研究分担者 |
大崎 淳史 東京電機大学, 情報環境学部, 講師 (30434004)
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キーワード | インクルーシブ教育 / 天井走行リフター / ハウスアダプテーション / 重度重複障害児 / 自立支援 / 特別支援学校 / 養護学校 |
研究概要 |
特別支援教育を推進するバリアフリー生活情報環境デザインのあり方に関する研究の目的は、わが国の障害児教育が従来の特殊教育から個々の教育的ニーズに対応する特別支援教育への大きな変革に合せて、養護学校のバリアフリー生活環境デザインのあり方についてハード・ソフトの両面を含めたグローバルで学際的視点から課題を明確にすることであった。 研究は2部で構成され、研究1は特別支援教育で重要となるインクルーシブ教育の実態把握としてノルウェー王国の調査を行いまとめた。ノルウェーでは、ノーマライゼーションの考え方と合せてWHO国際生活機能分類(以下、ICF)の障害観に基づく教育が展開されており、地域での障害者支援技術としてアシスティブテクノロジー(Assistive Technology : ATと略す)のサービスと合わせたサポート体制が整っており、特別支援学校の展開にソフト面として重要な情報を得ることができた。研究IIはノルウェーの特別支援教育プログラムを参考に日本の養護学校における環境面からのアプローチを検討し、千葉県立桜が丘養護学校の教室とトイレに天井走行式リフターを導入し「抱っこによる移乗」の改善を試みた。その結果、授業時間にリフターを活用した重度重複障害児の自宅にリフターを設置し、自宅における環境改善と家族の介護負担の軽減が大きく図れた。一方、千葉県立袖ケ浦養護学校では、寄宿舎にリフターを設置することで、介助者の安全性・身体的負担軽減に有効であった。また、浴室に設置したリフターは利用する児童にとって、入浴の楽しみと快適1生を高めるQOLの向上につながった。また、自立活動室にリフターを設置し、授業中のリフター活用で教諭の腰痛予防に配慮した安全性向上による移乗動作の獲得と自立活動の歩行補助用具としてのリフター活用の可能性を評価することができた。 今後の課題としては、社会資源の活用を含めたバリアフリー生活情報環境のリソースセンター機能の構築が必要である。また、教育場面では教諭を中心とした、関連職種による支援体制整備と「個別の指導計画」の中に、ICFの視点から、児童の学校生活、自宅生活、卒業後の自立生活を視野に入れた、環境面からの目標を導入することが挙げられる。
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