研究課題
本研究では色素増感太陽電池システムのエネルギーフローに注目し、特に入射光に対し光学的整合をとった新しいメゾスコピック凹凸・光整合電極を提案し、その最適化を目指している.そのためにメゾスコピック構造(凹凸表面構造、超微粒子・ポーラス膜構造)の機能を融合した階層的メゾスコピック構造を創出し、高効率化を図ることを目的としている.そこで平成17年度はメゾスコピック構造創出のための以下の項目について研究を遂行した.・色素吸着させた平坦なナノポーラスTiO_2膜の評価平坦なナノポーラスTiO_2膜を成膜し、これに色素を溶媒の温度並びに溶質濃度、時間を変化させて吸着させた.それらの光学特性を測定し、吸着条件と屈折率との関係を評価した.そして色素吸着量と屈折率の関係を求めた.・メゾスコピック凹凸を有する受光側透明電極と色素吸着チタニアの積層と評価凹凸プロファイルを有するITO導電膜基板上にナノポーラスTiO_2膜を形成し、凹凸プロファイルの評価を行い、さらに色素吸着を行なった.また色素吸着条件(濃度、温度、時間)を変えて、凹凸を有するチタニア層に対する色素吸着量分布を評価した.・太陽電池効率評価のためのソーラーシミュレータの試作平成18年度に作製する色素増感太陽電池全体のエネルギー変換効率を評価するために必要なクセノンランプを光源とする同シミュレータを作製した。・メゾスコピック凹凸・光整合電極設計のためのシミュレーション開発した電磁場解析シミュレーションプログラムにより、実測あるいは人工的に生成した表面凹凸を仮定し、実測した対象物質の屈折率を基に波動場を計算した.光学的整合界面に有効な界面凹凸に関する知見を得た.以上により、色素増感太陽電池の受光部積層構造における光学的整合界面実現のための知見を見出すことができた.
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Materials Transactions 46・12
ページ: 3037-3043
ISES Solar World Congress 2005 Orland, U.S.A., Proc., Eds.D.Y.Goswami et al., Peer-reviewed Paper
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