研究課題/領域番号 |
16360334
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90130872)
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研究分担者 |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50196698)
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院・日本学術振興会, 特別研究員(PD)
望月 大 早稲田大学, 理工学術院・日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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キーワード | 無機有機ハイブリッド / オリゴマー / ゾルゲル法 / 自己組織化 |
研究概要 |
規則構造をもつシリカ系ナノ材料合成の一環として、かご型構造のシロキサンオリゴマーはその構造特異性から幅広く研究されている。ケイ酸水溶液中においては、第四アンモニウムイオンの存在によりかご型構造が選択的に形成されることが知られている。本研究では、有機基を骨格中に含む新規かご型構造の構築を目指し、架橋メチレン基を有するアルコキシシラン[(EtO)3Si-CH2-Si(OEt)3]を用い、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)共存下での加水分解・縮重合反応について検討した。 TMAOH/Si=3の溶液のSi-29 NMRスペクトルには、T2環境(CSi(OSi)2(O-))のSiに帰属される2本のシグナル(強度比1:2)のみが出現した。C-13 NMRスペクトルより、環境の異なる架橋メチレン基に由来する2本のシグナルが観測された。以上の結果から、(EtO)3Si-CH2-Si(OEt)3の加水分解・縮重合反応により特定構造の分子種が選択的に生成したことがわかった。さらに、トリメチルシリル化誘導体の詳細な分析により、3つのSi-CH2-Siユニットがシロキサン結合によりかご型構造を形成していることが明らかとなった。さらにこの分子種の加水分解後に得られる生成物のケイ酸構造について詳細に検討し、従来のアルコキシシランモノマーを用いた場合と比較しつつ、本概念の有効性を明らかにするとともに、新たなシリカ-有機ナノ構造を構築し、より精緻に構造を設計することを計画している。
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