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2005 年度 実績報告書

全空間構造解析法による短繊維強化複合材料のクリープ・疲労損傷発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16360335
研究機関山形大学

研究代表者

栗山 卓  山形大学, 大学院・ベンチャービジネスラボラトリ, 教授 (10186520)

キーワード複合材料 / 疲労 / 繊維切断 / 樹脂破壊
研究概要

ミクロンスケールでの一軸引張り疲労条件での損傷解析比較
マクロな疲労損傷解析として、平均的な挙動として粘弾性応答の計測を行い。また、試験片全空間すべての局所解析として、多数点アコースティックエミッション(acoustic emission ; AE))計測、強化繊維切断が明らかとなる音速計測を行った。さらに、任意の時間に試験を中断し音響画像解析を行った。これにより、疲労条件での50μmスケール内での損傷分類および損傷間の相互作用が明らかになった。材料としては、短繊維ガラス強化ポリアミド6(PA66/SGF)を用いた。下記に得られた結果を示した。
1.疲労挙動は3段階に分けられる。
(ア)初期段階では、疲労進行とともにtanδおよびAE発生頻度が低下する。
(イ)中期段階では、疲労進行とともにtanδおよびAE発生頻度は変化のない定常状態となる。
(ウ)後期段階では、疲労進行とともにtanδおよびAE発生頻度が増加する。
2.上記1.の挙動は負荷応力レベルにより変化した。すなわち、負荷応力が低くなるほど、tanδおよびAE発生頻度は減少するとともに、全寿命にしめる後期段階の割合は著しく減少した。
3.疲労進行中での平均音速変化においても上記1の挙動と対応した。とくに、負荷応力が高いとき、平均音速は初期から低下し、後期段階に変わるとともにその減少度が著しくなった。それに対し、後期段階が少ない低負荷レベルになると、初期に音速が増加し一定値となり後期段階の出現とともに音速は低下するようになる。
4.4.上記3の試験片空間中での音速分布は、負荷応力レベルにより異なる。すなわち、高負荷応力レベルでは、音速低下は、試験片中央部に局在化するのに対して、負荷応力レベルが低下すると音速変化は小さくなるとともにその分布は一様化した。
5.上記1.から4.よりN66/SGF疲労破壊には下記に示すような二種類の機構が存在することを明らかにした。
(ア)疲労損傷が局所化され破壊に至るTypeA型(負荷応力レベルの高い低寿命において現れる)
(イ)疲労損傷が局所化されず、試験片全体に分散した後、破壊に至るTypeB型(負荷応力レベルの低い高寿命において現れる)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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