研究概要 |
本研究計画においては,ナノ・マイクロスケールの領域の局所弾性定数を絶対的に測定するための新しい超音波共振顕微鏡を開発することを目的としている.自由振動をする振動体に物質が接触すると,振動体の共振周波数は接触物質の弾性定数を反映して変化する.したがって,振動体の共振周波数を測定することで接触物質の局所領域の弾性定数を評価することが可能となる.振動子としてランガサイトを用い,またモード解析により振動形態を計算して振動の節を介して振動子を保持する. 平成17年度においては,接触にともなう共振周競数の変化率を計算する理論モデルを構築し,定量的に弾性定数を決定する手法の指針を確立した.また,系の減衰係数を測定することにより試料の局所領域の内部摩擦を評価することも可能とした.これに対する振動モデリングも行い,モデルの妥当性を確認した. さらに,クリープ損傷をうけた純銅に対して弾性マッピングを試み,顕微鏡観察では観察できない微細な欠陥やボイド,クラックを弾性異常軟化として検出できる可能性が示された.
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