C/C複合材料をエンジンなどの耐熱容器に適用するには、C/C複合材料中のガス漏れを大幅に減少させることが必要になる。本研究では、C/C複合材料のガス透過速度を大きく減らすことを目的としている。平成16年度は以下の項目につき検討した。 1.C/C複合材料は通常高温で使用されるため、高温におけるガス透過速度の測定装置を試作する。 2.ガスの流路となるC/C複合材料中の欠陥をふさぐために、欠陥中にSi融液を真空含浸してSiCを生成する方法を検討する。 3.欠陥が高温になると徐々に閉じるため、低温における処理方法を考案する。 上記項目を検討の結果、以下の結果を得た。 1.800℃までの高温でC/C複合材料中のガス透過速度を計測できる装置の設計・試作を行い、800℃までの高温で使用可能であることを確認した。主たる問題点はC/C複合材料と装置材料間の熱膨張のミスマッチによる漏洩を防止することにあった。この問題は、高温で膨張する炭素シートをシール材とすることで解決した。 2.Si含浸を行うことにより、C/C複合材料中のガス透過速度は1/10以下に減少することを確認した。更に繰り返しSi含浸でさらなる透過速度減少を狙ったが、効果が上がらないことが判明した。この結果は、Si含浸は1600℃の高温で処理しているが、高温ではガス透過経路である亀裂が閉じてしまうためであることを確認した。 3.低温処理方法として、炭素の含浸と高温のSi含浸を併用する方法を検討したが、未だ透過速度を大幅に減少するには至っていない。今後は低温におけるSiCのChemical vapor infiltration等の方法を更に検討予定である。
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