研究課題/領域番号 |
16360342
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井口 泰孝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005413)
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研究分担者 |
大内 千秋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00312603)
成島 尚之 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (20198394)
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キーワード | 生体材料 / チタン / チタン合金 / 冷間加工性 / 生体刺激電極 / 表面処理 / 回転曲げ疲労試験 / 擬似体液 |
研究概要 |
1 細線化プロセスにおける潤滑には陽極酸化ばかりでなく工程数の減少が可能な低温大気中酸化も検討し、細線化に十分対応できることを明らかにした。次年度以降、低温大気中酸化をチタン合金細線化プロセスのための潤滑法として採用することとした。 2 直径100μmおよび200μmの工業用純チタン細線の回転曲げ疲労試験における破面観察により、表面傷と素線強度が疲労寿命に大きな影響を与えることがわかった。これらの知見をIFESS-2004で報告した。刺激電極用のチタン細線には表面処理が必要であることが示唆されたため、3および4においてチタン細線に有効な表面硬化法を検討することとした。 3 当グループで開発した高強度細線用素材Ti-14Mo-3Nb-1.5Zr合金にダイアモンドライクカーボン(DLC)コーティングを施し、その細胞毒性試験を行った。その結果、DLCコーティングは、母材の細胞毒性にほとんど影響しないことが明らかとなった。 4 ガス法による表面硬化処理を施したTi-14Mo-3Nb-1.5Zr合金の細胞毒性試験を行ったところ、顕著な細胞毒性は観察されなかった。ガス法はDLCコーティングよりも簡便であることから、次年度以降の表面処理プロセスとしてガス法を採用することとした。そのための処理装置を設計し、設備備品として購入した。 5 Ti-14Mo-3Nb-1.5Zr合金のHanks溶液や1mass%乳酸溶液中における溶出実験を行い、イオン溶出は非常に低いレベルに抑制されることを示した。また、Hansk溶液中に保持した場合にはその表面にリン酸カルシウム系材料が形成されることがわかった。これらは本合金の優れた生体適合性を示すものである。
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