研究課題/領域番号 |
16360351
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)電気磁気材料研究所 |
研究代表者 |
大沼 繁弘 財団法人電気磁気材料研究所, 薄膜材料グループ, 主任研究員 (50142633)
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研究分担者 |
小林 伸聖 財団法人電気磁気材料研究所, 薄膜材料グループ, 研究員 (70205475)
山口 正洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10174632)
小野 裕司 NEC, トーキン(株)EMCデバイス事業部, 主任
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キーワード | 磁性薄膜 / 電磁波ノイズ抑制効果 / GHz帯域 / ナノグラニュラー構造 / 空間インピーダンス / マイクロストリップライン法 / 抵抗損失 / 磁気損失 |
研究概要 |
1、GHz帯電電磁波ノイズ抑制材料の検討: 高周波帯域における優れた電磁波ノイズ抑制材料を得るために、電気比抵抗(ρ)の大きさの異なるナノグラニュラーCo-Al-O磁性膜を作製し、電気比抵抗と伝送特性との関係を検討した。その結果、6GHzでの損失(ノイズ抑制)は膜のρが10^4〜10^5μΩcmのときに最大値を示す。ただし、検討した全ての試料の共鳴周波数(fr)が6GHz未満であるため、損失の原因は、磁気的なものではない。その原因を明らかにするために、ρの異なるAl-O膜を作製し、その伝送特性を検討した。その結果、Al-O膜もCo-Al-O磁性膜と同様の伝送特性の電気比抵抗依存性を示すことがわかった。詳細に検討した結果、損失のシート抵抗で整理すると、全ての値が1つの曲線に載ることを見出した。損失の最大値を示すシート抵抗値は約10^2Ωで、膜組成や膜厚に関係ない。この値は空間インピーダンス値とほぼ同等な大きさであり、大きな抑制効果は抵抗損失(ohmic loss)によるものと思われる。磁気特性の影響を明らかにするために、Co-Al-O膜のfrよりも低い周波数帯域で損失特性を測定した。Al-Oの場合では、損失は6GHzの場合とほぼ同様なシート抵抗依存性を示す。しかし,強磁性Co-Al-O膜では、抵抗損失に起因する損失以外に、低シート抵抗側に大きな損失ピークが観察された。このピークは測定周波数により変化することから、磁気損失に起因するものであることがわかる。以上の結果から、ノイズ抑制効果とシート抵抗値の相関が明かとなり、抑制効果の大きな材料を得る指針を見出すことができるとともに、その原因を抵抗損失と磁気損失に分離できることが判った。 2、20GHzまでの電磁波ノイズ評価装置の検討: コプレナーライン法を用いる事で、20GHzまでの電磁波ノイズ抑制効果を測定できる見通しがついた。
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