(1)放電プラズマ焼結法を用いたセラミックス内包クローズドセル構造金属材料作製法 粉末試料に大電流をパルス状に引加しながら荷重を作用させ、放電あるいは通電による加熱によって粉末を焼結することのできる放電プラズマ焼結法を用いて、クローズドセル構造金属材料作製を試みた。 セラミックス粒子に無電解メッキによりNi-P合金をコーティングし、放電プラズマ焼結法を用いて焼結した。 セル構造は荷重方向に対して垂直な方向に楕円形に変形したが、セル構造を有することができた。またグリーン体作製が可能な場合は、放電プラズマ焼結時にグリーン体とダイとの間に硬いセラミックスの粒子を充填させて、疑似的に静水圧状態で焼結する手法も開発した。 (2)金属コーティング多孔質セラミックス粒子を用いたクローズドセル構造金属材料作製法 変形し易いセラミックスとしてアルミナやチタニアなどの多孔質のセラミックス粒子にNi-P合金をコーティングし、これを静水圧加圧後に真空中で加熱焼結する方法と放電プラズマ焼結法を用いて焼結することにより、セラミックス粒子を内包するクローズドセル構造金属材料を作製した。比較材として、変形し難いジルコニア粒子に金属をコーティングして同様な手法で焼結を試みた。変形し難いジルコニア粒子においては静水圧下でグリーン体を作製することができないため、静水圧負荷後の真空焼結法では本クローズドセル構造金属材料の作製することはできず、放電プラズマ焼結法のみ作製することができた。また、放電プラズマ焼結法を用いると10×20×1mmほどの小さな試料も作製できた。 (3)作製したクローズドセル構造材料の評価 3点曲げ試験においてはアルミナ等の多孔質粒子を用いたものが高い強度を示し、またセル構造の形態と強度との関係は、セル構造が複雑なほど高い強度を示した。 (4)小型試料の作製 矩形型のグラファイトダイおよびパンチを用い、放電プラズマ焼結法により幅:数mm、長さ:十数mm、厚さ:1〜3mmの小型矩形型試料を作製し3点曲げ試験による強度を評価した。
|