研究概要 |
平成16年度は,亜鉛(Zn)-酸素(O_2)混合プラズマの生成と選択的運動量制御の確証を目指し,実験装置の改造とプラズマ計測,及び透明導電膜の合成を主に行ってきた. (1)O_2プラズマの生成 磁場コイルを増設し,コイル電極を用いた円柱状(77mmφ×200mm)誘導結合型O_2プラズマを10^<-2> Pa台でほぼ一様に維持することに成功し,プローブ計測から電子密度〜10^<15>m^<-3>(電離度〜0.01%),電子温度〜8eVが得られた. (2)O_2プラズマの計測 基板試料の背後にエネルギー選択型質量分析器(設備備品)を設置した.基板に入射するイオン種を検出し(O^+<O_2^+),それらのエネルギーを測定した.O_2^+のエネルギーは基板シースの電位差で加速されたエネルギーに対応することを確認した.分光計測により,OとO^2ラジカル,及びO_2^+が検出され,酸素流量や励起電力などにより発光量を制御できる事が分かった. (3)アンテナ電場制御 基板シース区間に低損失の移動式rf電場発生用2相アンテナを配置し,励起周波数を変えて振動電場を発生させた結果,O_2^+のフラックスが変化することを確認した. (4)Zn-O_2プラズマによる透明導電膜の低温合成 Zn用オーブンを製作し,Zn蒸気をO_2プラズマに導入した.パイレックスガラス上へ1時間の堆積で,10^<-3>Ωcm台-透過率約80%の低抵抗率透明導電膜を合成できた(ノンドープ,基板非加熱). 以上,透明導電膜の合成中にプラズマの密度と発光量,及び基板入射するイオン種のフラックスを同時にモニターして,各計測量と抵抗率の相関関係が得られつつある.
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