研究課題/領域番号 |
16360379
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
神谷 秀博 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (20183783)
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研究分担者 |
塚田 まゆみ 東京農工大学, 大学院・工学教育部, 技術専門職員 (70376870)
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キーワード | 磁性金属ナノ粒子 / シリカコーティング / ゾルゲル法 / チタニア / 生物由来分散剤 / ゲルゾル法 / TEM微構造解析 / 表面処理 |
研究概要 |
高機能ナノ粒子分散型高分子材料に分散させるナノ粒子として、GHz域の高性能電磁遮蔽効果が高いシリカ被覆α-鉄粒子と高屈折率光学材料を想定した酸化チタンナノ粒子、シリカ被覆金属ナノ粒子のモデル粒子としてシリカ粒子も用いた。最初に、金属鉄ナノ粒子の形態および分散性制御を目的に、酸化鉄のゲルゾル合成プロセスに構造の異なる界面活性物質を添加した結果、界面活性剤の構造により粒子形状(アスペクト比)粒子径の設計が可能で、分散性も制御できることを確認した。また、トルエンなど有機溶媒中での高分散性磁性酸化鉄ナノ粒子を常温、定圧条件で高濃度合成する手法として、脂肪酸鉄/トルエン溶液中にアルカリ水溶液を滴下する方法で透明な高濃度分散した磁性酸化鉄ナノ粒子分散サスペンジョンの生成に成功した。次に、得られた金属系ナノ粒子および酸化物ナノ粒子の樹脂への分散性の一層の向上を目的とした表面処理について、シリカ被覆金属ナノ粒子を想定したシリカナノ粒子およびチタニアナノ粒子を用い、シリカシランカップリング処理により表面疎水化処理を行った上で、樹脂原料のモノマー、オリゴマーを吸着、あるいは予備的に重合させて結合状態の弱いポリマーを被覆する手法を確立し、均一なポリマーナノ被覆が得られる調製条件を求めた。また、上記の種々の表面構造設計を行ったナノ粒子の有機溶媒中での分散機構を解明するため、ナノ粒子コロイドプローブを作成し、有機溶媒中での粒子表面間作用の評価を行った。表面被覆により立体障害的な近距離斥力が発生し、凝集を起こしても粒子間付着力が低下するため分散安定性が促進されることが求められた。最後に、得られたポリマー被覆粒子を最大0.9GPaの超高圧成形法やテープ成形法によりバルク体を作製した結果、ナノ粒子の充填率で最大45vol%の高濃度にナノ粒子が分散した材料が得られることが確認された。
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