研究課題
基盤研究(B)
濾過、圧搾、沈降、遠心分離などの粒子・流体系分離操作は、近年における利用分野の著しい拡大により、分離の対象となる粒子や溶媒はますます多岐に亘り、バイオテクノロジーやバイオマス産業、機能性食品、医療、生物・生体関連の分離にも積極的に利用されるようになっている。このため、微生物、ゲル粒子、エマルション、タンパク質のような生体高分子、粒子が緩く集合した凝集粒子といった、変形能が極めて大きく分離困難な"ソフトコロイド"を対象とする高精度な分離技術の確立が強く切望されている。本研究では、微生物、ゲル、エマルションなどの多様なソフトコロイドを対象とした濾過、圧搾、沈降、遠心分離などの粒子・流体系分離操作を検討し、脱液挙動と生成ケークや沈殿堆積層の特性との関係に着目し、ソフトコロイドに特有な脱液分離の動的挙動の解明を試みた。一連の検討により、ソフトコロイドの分離挙動、粒子の変形特性、分離性能に多大な影響を及ぼす、濾過、圧搾における生成ケークや沈降、遠心分離における沈殿堆積層などのゲル状を呈する粒子集合体の特性を究明した。生成ケークや沈殿堆積層は極めて大きな圧縮性を示し、粒子の変形が生じるため、その空隙率が球形粒子の最密充填以下となるケースもあった。したがって、ソフトコロイドの分離においては、圧力を増加させたとしても粒子の変形が促進し、必ずしも分離挙動の改善には繋がらないため、従来の常識とは逆に低圧での分離が効果的となることがわかった。本研究の成果は、最適な分離操作の設計や新規分離技術の確立へと繋がるものと考えられ、今後需要が大きいソフトコロイドを分離対象とする多くの産業分野に多大な寄与をなすことが期待される。
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