研究課題/領域番号 |
16360393
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
内田 重男 静岡大学, 工学部, 教授 (10023194)
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研究分担者 |
石川 勝利 静岡大学, 名誉教授 (00008608)
前澤 昭礼 静岡大学, 工学部, 助手 (20209365)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 環境技術 / 廃水処理 / 超音波 / 光酸化 / 環境ホルモン / 生理活性 |
研究概要 |
新たに薬剤を添加することなく難分解性有機化合物を分解できる超音波-光酸化触媒併用処理法を用いて、染料の一つであるアシッドオレンジ52(AO52)の分解を行い、無機物イオン、通気気体、他の染料成分との共存の影響について検討を行った。 無機物イオンとして塩化物イオンを添加したところ、AO52の分解に影響は無かったが、全有機炭素(TOC)の分解は阻害された。これは暗室での吸着実験より、塩化物イオンの触媒表面への吸着による光触媒反応阻害と考えられる。 染料成分が2成分の場合、超音波単独および光触媒酸化単独の場合よりも併用処理の場合の方が染料の分解率は高かったことから、多成分でも併用処理は有効であることがわかった。 通気気体の種類について検討した結果、酸素通気が最も分解効率が良い結果となった。酸素よるラジカル反応の促進により副生成物を含めた溶液の無機化が効率よく行われたといえる。併用処理では、ラジカル反応と熱分解反応がそれぞれ疎水性物質及び親水性物質に対して有効に働くため、効率よく分解が行える。しかし、分解機構や分解対象物質の物性によって有効な通気気体は異なるため、処理条件によって通気気体を変化させることが望ましい。 超音波を用いた場合、溶存窒素より硝酸イオンが生成する。硝酸イオンの生成を抑制するためには、処理開始前に窒素を含まない気体を通気し、溶存窒素を十分に除去し、処理開始後も窒素以外の気体を通気することが有効であることが明らかとなった。 ゼブラフィッシュの卵を用いた、卵核胞崩壊活性の検定によって、AO52溶液を超音波-光触媒併用処理した際の、副生成物及び最終生成物が生体に及ぼす影響について検討を行った。その結果、処理溶液は卵核胞崩壊活性に対して影響を及ぼさず、処理過程で生体に影響を及ぼすような物質の生成はないことが確認され、本処理法は生物に優しい方法であることが確認された。(789文字)
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