研究課題/領域番号 |
16360404
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
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研究分担者 |
広光 一郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40199138)
久保田 岳志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (90304253)
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キーワード | Co-Mo / Al_2O_3 / 水素化脱硫触媒 / Coの磁化率 / 活性サイト構造 / ボロン添加効果 / NO吸着 / 担体効果 / CVD法 |
研究概要 |
Co-Mo/Al_2O_3水素化脱硫触媒の活性サイトを選択的に形成するため、Co(CO)_3NOを用いるCVD法を適応した。CVD法で調製した触媒をCVD-Co/MoS_2/Al_2O_3と記すことにする。CVD-Co/MoS_2/Al_2O_3に関し、磁化率の測定を4.2-300Kで行なった。Coは反強磁性的性質を示すことを明らかにした。MoS_2のエッジ上にCo二核クラスターの生成を仮定し、理論式を用いたフィッティングを行なったところ、実験結果と良く合うことが明かとなった。さらに、通常の含浸法で調製したCo-Mo/Al_2O_3触媒でも同様の活性種が生成することを示した。さらに、Moの存在しないCo/Al_2O_3では、Coの磁気的性質は、Curie-Weiss則に従い、Co-Mo触媒系と全く異なることが分かった。このことから、反強磁性的性質を示すCo種は、Co(S_<Mo>)_4-S-Co(S_<Mo>)_4-S-Co(S_<Mo>)_4(S_<Mo>;Mo原子と結合する硫黄原子)構造をもつと推定した。この構造は、FranceのグループによるDFT計算を用いた理論的モデルとも良く対応している。さらに、NO吸着量より活性サイトを形成するCoの半分にしか吸着しないことを明らかにした。このことは、上記Co二核クラスター構造で説明できることを示した。以上、Coの磁気的性質の測定実験により、水素化脱硫触媒の活性サイトがCo二核クラスター構造をもつことを初めて明らかにした。さらに、含浸触媒系でCo担持量の影響を検討した。Co量の増大によりCo-S-Co間の相互作用が増大すること、また、ボロンの添加によりさらに相互作用が強くなった。また、SiO_2担持のCVD-Co/MoS_2触媒では、異なる相互作用パラメータが得られた。担持量、添加物、担体が活性サイト構造、電子状態に影響を与え、活性サイト当たりの活性に影響を与える可能性を示唆する実験結果を得た。CVD-Co/MoS_2触媒系のX線吸収スペクトルを測定した。現在EXAFSをFEFF8を用いて検討中である。さらに高活性化の一方法としてボロンの添加を検討し、ボロンの添加によりMoO_3-Al_2O_3相互作用の変化をFTIR、XPS、LRSなどの手法を用いて明らかにした。
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