研究課題/領域番号 |
16360404
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
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研究分担者 |
広光 一郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40199138)
久保田 岳志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (90304253)
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キーワード | 水素化脱硫触媒 / Co-Mo / Al_2O_3触媒 / Co-W / Al_2O_3触媒 / 磁化率 / XAFS / 触媒表面構造 / ボロン / ゼオライト |
研究概要 |
Co-Mo(W)/Al_2O_3触媒のチオフェン水素化脱硫活性に及ぼす影響を検討した。Co(CO)_3NOを用いたCVD法を用いることにより、予備硫化温度の上昇により活性サイトであるCo-Mo-S構造当たりの活性が上昇することを明らかにした。FTIRによる表面水酸基の測定から、ボロンの添加に伴い塩基性表面水酸基が減少し、Co-Mo-Sの活性サイト当たりの活性TOFが増加し、残存塩基性表面水酸基の量によりCo-Mo-SのTOFが変化することを示した。予備硫化温度の上昇に伴い、TOFが上昇するのは、Mo-O-Al結合が切断されるためである。タングステン触媒系に付いても同様であることを明らかにした。Co-Mo-S構造の熱安定性は、脱硫触媒の活性劣化の問題と関連しており、重要である。CVD法を用いてMoS_2粒子のシンタリングの効果を除去してCo-Mo-S構造の熱安定性およびそれに及ぼすボロンの効果を初めて明らかにした。また、担体の及ぼす効果も検討した。その結果、Co-Mo-S構造は通常の反応温度である623Kでは熱的に安定であることを示した。熱安定性は、ボロンの添加により低下し、また、熱安定性は、Al_2O_3>B-Al_2O_3-SiO_2となることを示した。Co-Mo/Al_2O_3触媒の表面構造に及ぼすボロン添加の影響を調べた。ボロン添加により、MoS_2粒子のエッジサイトでのCoの被覆率が低下し、Co硫化物クラスターによるブロッキングの程度が大きくなることを明らかにした。UV-VISスペクトルより、Coと担体間の相互作用がボロン添加により弱くなり、CO_3O_4がより多く生成することが原因である。磁化率の測定結果とCVDによる触媒表面構造の評価結果はよい一致を示した。ゼオライト細孔内にCo(CO)_3NOを用いて導入したCo硫化物クラスターの構造と水素化脱硫活性の関係を検討した。XAFSおよび磁化率の結果より、Co硫化物クラスターの構造を検討し、NaY型ゼオライトとUSY型ゼオライトにおける、Co種の違い、熱処理に伴うCo種の変化、反応におけるプロトンとCo硫化物間の協同効果が働くことを見出した。
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